■黒田如水「水五則」
Part3
一、自ら活動して他を動かすは水なり。
一、障害に遭(あ)いて激しく勢いを
百倍するは水なり。
一、常に己の進路を求めて止まざるは水なり。
一、自ら潔(いさぎよ)くして
他の汚濁(おだく)を洗い、
然も清濁を併せ容るるは水なり。
一、 洋々として大洋を満たし、
発しては雲となり雨と変じ
凍りては玲瓏(れいろう)たる
氷雪と化す。
然もその性を失わざるは水なり。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
一、常に己の進路を求めて
止まざるは水なり。
水は、摂氏0℃以上で液体になる。
摂氏100℃では蒸気になる。
つまり、川の水に、海の水に、
水のある所から、まず蒸気になる。
空にあがる蒸気は、空で冷やされて、
水の小さな粒がひとつに集まり始める。
すると、雲が発生して、
段々と大きな雲になり、
大きな粒は、重力の影響で、
雨として地面にて落ちる。
最初の内は地面の表面を濡らし、
段々と地下へと吸い込まれていく。
その水が、地下から湧き出す。
そして、小川となり、海まで流れる。
この様に、水は、一定の所に留まらない。
今いる所から、次の所へと移動して行く。
軍師官兵衛は、
1546年(天文15年)に播磨国
姫路城主の嫡男として生まれ、
1567年(永禄10年)には家督を継いで
姫路城主となり
小寺家の若き家老になる。
1575年(天生3年)姉川の戦いの年に、
信長に面会と秀吉との出会いがある。
「黒田家が生き残る」ための流れ。
戦国時代の表舞台に登場し、
1590年(天生18年)秀吉による小田原征伐の
天下統一までの戦いに、
軍師として、
水の如く、活躍している。
次回は、
「一、自ら潔(いさぎよ)くして
他の汚濁(おだく)を洗い、
然も清濁を併せ容るるは水なり。」
続く